前記事:
ご無沙汰しております。忍野です。
この記事では前回に引き続きホワイトアルバム2をプレイした感想を書いております。
今回は小春編ということで、小春ルートの感想になります。
ここまでintroductory chapter(以下ic)についての感想をまとめた記事、closing chapter(以下cc)の千晶編についての感想をまとめた記事をそれぞれ投稿しておりますので、気になる方はそちらからご覧ください。
今回もネタバレなしのパートと、ネタバレありのパートの2つに分けて進めていこうと思います。最後にネタバレありルートを読んでいただいた方向けの番外編を用意しております。
ネタバレなし感想
杉浦小春は主人公の通っていた高校である峰城大付属高校に通う高校3年生です。
主人公はccの冒頭で、アルバイトで塾講師として教えていた生徒の一人である高3の美穂子から彼女はいないのか、と聞かれ、「いない」と答えた主人公は彼女から告白されます。しかし主人公は「それは君の勘違いだ。」と一蹴し、むげにします。
小春は美穂子の親友であり、何とか解決しようと考えた小春は主人公を大学の校門で出待ちし、接点を持つことになります。
小春は主人公に対し、
「なぜ美穂子の告白を冷たくあしらったのか?」
「本当は恋人がいたのではないか?」
などを問い詰めますが、icで語られる3年前に大失恋をした主人公にとって、恋愛が未だに心の傷であり、部外者にとやかく言われる筋合いはないと撥ねつけられます。
ところで小春はクラスの仲良しグループで卒業旅行に行く計画があり、お金が必要になります。そこで小春はファミリーレストランでアルバイトをすることになったのですが、その店はかつて主人公が働いており、彼が未だにヘルプを頼まれるほどに主人公と密接な関係のある店でした。
そこで主人公と小春はたまたま鉢合わせてしまい…
と、このように小春は主人公とかかわっていくことになります。
物語の中で、小春と主人公の性格が似ている、と周りのキャラから言われるシーンが多くあり、小春は主人公同様かなりのお節介で真面目なキャラをしています。主人公同様、実際に過去にクラス委員をやっていました。また小春はテニス部の副部長を務めており、スポーツも得意です。
バイトが同じこともあり、美穂子についても真面目な小春は主人公と話す機会が増えていきます。
そんな中、件の美穂子から
「小春が北原先生(主人公)と話していたって聞いたんだけど…」
と言われてしまい、物語はややこしい方向へ向かっていきます。
プレイしているときの感想としては
小春ルート初期:
「ふんふん、そんな感じね。まぁええんちゃう」
小春ルート中盤:
「ああ、こういう感じのつらい話か…」
小春ルート終盤:
「うっ(メンタルが良くも悪くも揺さぶられ過ぎて崩れる音)」
といった感じでした。個人的にはかなりまとまった、良い終わり方だったと思います。
ネタバレなしで語れるのはこの辺まででしょうか。
気になる方は是非実際にプレイしてみてくださいね!
ネタバレあり感想
さて、この記事を書いているのはプレイした日の夜中(もはや朝)であり、賢者タイム(ゲームの)も冷めてきたころ合いです。
この記事でも前回感じたことなどを含めながらリアルタイムな感想を書いていきたいと思います。
小春ルートでは千晶ルートほど前情報の動きが少なかったですよね。
そのぶん、クリスマスに雪菜と分かれてからの物語が長いように感じました。
春希は千晶編と同様に、形は違えど小春(アルバイト)を逃げ道にします。
そしてクリスマスの日に雪菜とうまくいかなかったことを小春に詳しく話し、小春から
「北原先輩は何も悪くないじゃない!!」
という反応を返されます。
ここは性格の似ている小春だからこそ、感じ取れた正常なことであり、正論でした。
しかし恋愛に正論が通用しないことを身をもって知っている春希は、この時点では小春はかわいい後輩くらいに感じていたでしょうか。春希的に愛着がわいてきたころ合いだったのかな?と思います。
小春は春希と2人きりで会っていたのに軽い嘘をつき、たまたま現場を目撃していた美穂子がまたも病んでしまいます。プレイ中は
「美穂子ダリィィィィィ」
と思っていました。美穂子推しの皆様には申し訳ないのですが、作中でもかなり嫌いなキャラになってしまいました。まぁでも初恋をした女子高校生でああいう子もいるのかもしれませんね。
そして今まで小春の見方をしてくれていた仲間2人も、
「でもそれは小春が悪いんじゃ、、」
みたいな反応を示します。
「お前ら真面目かよ!ww」
と思いました。お前ら普通に事実を見て客観的に誰が正しくて誰が間違っているのか見極められるんかい!そんな顔してないのに、とド偏見ながらいろいろ感じました。
さらには春希とキスしているところを(恐らく仲間の一人に)見られ、クラス、学年を巻き込んでのスキャンダルになってしまい、小春は陰でビッチの烙印を押されてしまいます。
そんな中、春希は雪菜宅で開かれる誕生日パーティーに招待されるのですが、天才武也によって
「コイツ、最近小春と仲良くしてんじゃないの?」
と勘繰られてしまい、
「お前絶対パーティー来いよ」
と言われます。しかし小春を選ぶ春希。そして小春と肉体関係を持ってしまっていた春希は小春と3日間、部屋で過ごします。
ここで雪菜にしっかりとクリスマスプレゼントを贈っていた春希。抜かりない。
ローストビーフの下りなどは割愛しますが、小春の春希に対する気持ちがうかがえます。またこれをきっかけに、春希には雪菜しかいないのではないのか?と小春は考えるようになってしまいます。
学校に居場所がなくなりつつある小春は、バイト先にこもるようになります。
バイト先に関しては
「バ先の人たち優しすぎるッ!!」
と感じましたね。
春希や小春のことはからかう程度で詮索などはせず、かといって2人を信頼しているので本ルートの癒しでした。
ところで、ホームパーティーでは雪菜の弟である孝宏がある相談を参加者にしていました。
「最近クラスの雰囲気が悪い」
孝宏は小春と同じクラスだったんですよね。
孝宏についてはここでは語りつくせません。最後に書きます。
本ルートの裏主人公と言っても過言ではないでしょう。
そのホームパーティーには武也と依緒も参加していました。
そしてことの経緯をほぼすべて知っている彼らは、悔しい気持ちでいっぱいだったのです。
話を聞いた武也から、春希は親友として強く叱られます。
これは恐らくなんですが、麻里ルートでもあるシーンなのでしょう。しかしこれらは武也や依緒のエゴではなく、彼らが春希を思って叱ってくれていることなのです。
メタい話をすると、私が春希だったら雪菜と付き合っていますよね。これは雪菜推しとかの話ではなく、一般的に考えたらそうなるのではないか、という私の考えです。(ここでは多くの人が実際に同じ状況で、少なくともサブヒロインを選ばないと考えてみてください。)
しかしサブヒロインルートでは春希(プレイヤー)が選んでいるのは雪菜意外の女性。ゲーム性としては仕方がない。当然雪菜には苦しい選択をプレイヤー側は迫られます。
つまり何が言いたいのかというと、この親友から怒られるシーンは春希を通り越してプレイしている自分が叱られている気分になるんですよね。
これ毎回は流石にキツいです。私にも人の心あるので。
さらには小春ルートでは依緒は登場しません。恐らく見放されたのでしょう。
だからこそ叱ってくれた武也が唯一無二であり、我々の最後の砦です。武也は俺が守る。
さて、小春は卒業迫る中、春希とともに、梨穂子・学校・家族などみんなを傷つけない選択をとることにします。
紆余曲折あったのですが、この選択に至る過程のシーンでは流石に俺ガイルの
「ほら、簡単だろ。誰も傷つかない世界の完成だ。」
というセリフを思い出しましたね。
先の"みんなを傷つけない選択"は春希と小春が一緒に考えたことになっていますが、よくもまぁうまくいったものですよね。「小春が真面目な生徒だった」ということが見事に伏線になっていました。
・小春が峰城大への推薦入学を辞退し、これによって美穂子は心置きなく峰城大へ推薦入学できる
・小春は持ち前の裁量で、どうにかして一般入試合格に間に合わせる
・美穂子の母親を説得し、美穂子には手紙という形で謝罪と覚悟を述べる
これらをすべて成し遂げます。
終盤の感想として、画面に向かって叫んだことを挙げていきたいと思います。
まずは小春の一般入学試験直後の雪菜との会話シーン。ここで小春は雪菜に対し、春希のことまで含めた激励をされます。直後に明かされる伏線回収。春希が酒を飲んでいた日に雪菜を振っていたことが明かされます。
これまで何度も「あとだし」をされていたので、どこかで春希が雪菜を振るシーンが来ると予想はしていたのですが、最後の最後にあんな一枚絵を出されたらたまったものではありません。
「これはズルいよぉ…」
という言葉しか出てきませんでしたね。
何より、本来振られた状況で涙する、激励の状況で笑って送り出す、ものですよね。なのになぜ…
「雪菜、お前はなぜ最後まで春希に弱いところを見せないんだよぉッ!!」
まさかの逆。振られた後に春希を送り出す雪菜は笑っていて、小春を激励した後の雪菜は泣いていました。これはcc始まって以来一番心に刺さった一枚絵ですね。
次にED直前に
「そういえば俺がずっと小春に言ってなかったこと」
として、春希は面と向かって小春に対して一度も「好きだ」と言っていなかったことが再確認されます。しかしED直後にいきなり、
「愛してる」
って、どんな匂わせだよ、と。EDの間に何があったのかは語られないですが、"語るに無粋な"と言いますか、こういった手法は個人的に大好きです。特に本ルートでは多く用いられていたように感じます。
最後に、春希が小春に対して
「これでやっと卒業旅行に行けるな」
といったシーン。
「卒業式はもうとっくに終わってますよ」
と返す小春。
ここで、これから先の展開の一つに思い当ってしまった私。
シーンが切り替わり、美穂子を含めた小春の仲良しグループだったメンバーたちが小春の大学合格を祝福し、卒業旅行に誘おうとしているかのようなシーンに。(ここでは小春との会話自体はなかったので。)
私は思わず叫んでいました。
「春希、天才かよおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
まぁこれも明らかに語られてはいないのですが、春希か孝宏あたりが根回ししていたのに違いないでしょう。
叫んだのはこの辺りまででしょうか。
このようにまとめてみると、ルートを通しての感想としては一番スッキリとした終わりだったのではないかと思います。まぁ雪菜という一点を除いて。
最後に、本ルートの裏主人公であるところの小木曾孝宏とは何者だったのか、について話していきたいと思います。
まあ一言で言って神ですね。
・芯の強さは春希と同等
・クレバーさは春希より下
・スマートさは春希より上
というスペックをしています。ここでは使い方が少し違いますが、
クレバー:本質的な用意周到さ
(例:春希は推薦で大学に行けた、孝宏は推薦にかからずに一般受験、またパーティーに誘うという回りくどい方法でクラスの問題の解決を試みた)
スマート:シンプルな問題解決能力
(例:春希はすべて考え過ぎてしまい面倒くさい、孝宏は自分の気持ちに正直に小春を助けたかった、また抱えこまずにパーティー参加者に相談した)
これらを指しています。
また最後の方で語られますが、校内では女子からかなり人気だったようですね。まあこれだけの格がありながら遺伝子的に小木曽雪菜の弟ですので、まあそうなりますよね。
自分が最も恐れていた展開は、孝宏が春希と小春のしていることに気付いてしまうのではないか、転じて春希と雪菜はもう付き合っていないと気づいてしまうのではないかということです。
流石に孝宏に悲しい顔をさせたくはありませんでした。この展開が無くてよかったです。
また本ルートでは孝宏が峰城大に受かったのかどうかが明かされません。まあ恐らく受かっているのですが。
元はと言えば春希と小春が起こしたクラスの揉め事のせいで不合格だったらいたたまれないです。
とはいえあれだけの困難があった中、クラスの問題と自身の入試をいい方向に傾けられた凄まじいキャラだと思います。
ここからは番外編、ということで。
最後に「孝宏、亜子の彼氏説」について検証していきたいと思います。
孝宏が亜子たちと絡むきっかけが元々あまり無いとすると、今回は小春のグループに大きな問題が生じたこと、ひいては我々が小春ルートを選んだことによって、亜子との
「私も第2ボタンもらっていい?」
という会話が生じています。
その後の展開で亜子に彼氏がいることが判明するのですが、ここでまず"彼氏が孝宏ではない"と仮定しましょう。亜子たちは小春を当時叶わなかった卒業旅行に誘うのですが、これを小春が知る前から春希は知っている節がありました。
しかし仮定が正しいと、春希がこの情報を知っている可能性は限りなく低いんですよね。春希は梨穂子とは話せず、梨穂子の母ともほぼ面識がなく(手紙は小春が直接梨穂子の母に渡している)、当然仲良しグループの子たちとも面識がありません。
唯一の可能性として、彼女たちの同級生だった孝宏がたまたま知っていたというケースだと思うのですが、それを(雪菜と別れたことで)ほぼ無関係になってしまった春希に伝えるでしょうか。可能性はあると思いますが。
ですが"彼氏が孝宏である"と考えると、孝宏としても「彼女の問題」としてより近く感じ、春希と連絡をとりあうことが自然になります。
「雪菜を振ったのに?」
と思われる方もいるかもしれませんが、逆に雪菜こそ、孝宏に対し
「春希君に伝えてあげて」
って言いそうじゃないですかね。
そんなわけで私は「孝宏、亜子の彼氏説」は推していきたいと思います。
ccの雪菜ルートでその後の孝宏が出てきそうだと勝手に予想しているので、その時にまた何か亜子に関するヒントがあればよいのですが。もしかしたら小春ルート以外でも小木曽家特有の運命力で亜子と付き合っているかもしれませんし。
最後の方は話がずれましたが、今回はこの辺で。
実はお気づきの方もいらっしゃるとは思うのですが、私は臭い物に蓋をしています。
こんな言い方は些か失礼ですが、まあ雪菜のことです。
「かなりよかったです」
みたいなコメントを毎回していますが、枕に
「(まあ雪菜に関して考えることを放棄すれば)かなりよかったです」
とついていることを想定していてください。はやく雪菜ルートをプレイしたいです。
次回は少し日が開くと思うのですが、麻里ルートの感想を予定しています。
それではまた。
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